東セミ久喜のブログ

心に移りゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくります。

ビリギャル☆を観ました!

大変遅ればせながら、ビリギャル☆を観ました!

 

もちろん、すでにご覧になられた方をたくさんいらっしゃると思います。

 

世間では、「最高のサクセスストーリー」であると称賛される一方で、

「あんなにうまくいくわけがない」とか、「たまたまだ」などといった批判的な

意見もあるようです。

 

確かに、全編にわたってフィクションの世界であるかのような感覚はありますし、偏差値30から1年半で慶応義塾大学に合格することは、登山初心者がエベレストに登頂するくらい難しいことです。

 

しかし私は、素晴らしい作品であることは言うまでもなく、特に学ぶべき点の多い作品であると感じました。

 

「ほめる」ことの大切さ

作中では、とにかく坪田先生の「ほめる」ということへのこだわりと、信念が描かれていました。ただ「すごいぞ!」、「よくやった!」と言うのではなく、生徒と同じ目線に立ってほめるということが、坪田先生の信念なのですね。

 

子供たちは、親から、そして周りの大人たちから「ほめられたい!」、「認めてもらいたい!」と強く思っています。どうしても、10のうち9良くても、1悪いとそこを叱ってしまいます。しかし、それを繰り返すと1悪いが2悪いに、という具合にどんどん増えていきます。逆もまたしかり。10のうち9悪くても、1ついいところがあれば、しっかりとほめてあげてください。必ず2、3と増えていきます!

 

「あきらめない」ことの大切さ

作中で、主人公は何度も何度も壁にぶつかります。しかし、周囲の助けもあってその壁を乗り越えていきます。彼女の意志の強さはもちろんですが、これには周りのサポートが不可欠です。

 

私は、人間は一人で生きていくことはできないと思っています。「つらいとき、どれだけ多くの人から助けてもらえるか」ということが成否のカギを握り、そしてそれは、「自分の周りの人がつらいとき、どれだけ助けてあげられたか、優しさを配ることができたか」ということとイコールなんだと思います。

 

いくら勉強ができるようになっても、人を傷つけたり、不幸にしてしまってはいけません。よくなった頭を、そんなことに使っちゃだめですよね。

 

上達すればするほど謙虚に、そして周囲に心配りができるようになりたいですね。

 

「信じる」ことの大切さ

最後に、作中で最も際立っていたのは、母親の「子を信じる心」ではなかったかと私は思います。

 

母親は、周囲に何を言われようとも、どんな壁にぶつかろうとも決して子供を見放したりせず、最後の最後までわが子を信じ、そして味方でいてくれる存在でした。

 

まだ自立していないこどもたちが受験という壁に立ち向かうこと、そして社会に出ていくこと。それは、何の道しるべもない大海原にただ一艘の船でこぎ出していくようなものです。頼るべき陸地もなく、途方に暮れてしまうこともあるでしょう。

 

そんなとき子供たちの心の支えになってくれるのは、「いつか帰るところ」です。

どんなにつらい時でも自分を信じ、励ましてくれる存在です。

それが、親であり教師であるのだと、私は思います。

 

以上、長文となってしまいましたが、私はこの映画を見てとても清々しい気分になりました。また今日から、この気持ちを大切に、子供たちと向き合っていこうと思います。

 

                               校長 島根